<農地転用の基礎知識⑩>一時転用なら簡単に許可されるの?
前回のブログはコチラ→<農地転用の基礎知識⑨>一時転用って何?
農地を工事期間中だけ資材置場や仮設事務所の敷地として使い、工事が終わったら農地に戻す。これが一時転用です。
ここで、「最後は農地に戻すんだから、普通の農地転用より簡単なんじゃないの?」と思いますよね。
ところが、一時転用だから簡単に許可される、というわけではありません。
今回は、一時転用ではどんなところを確認されるのか見ていきましょう。
本当にその農地を使う必要があるの?
まず確認したいのが、「なぜ、その農地を使う必要があるのか」ということです。たとえば、工事現場の近くにある畑を、工事期間中の資材置場として使いたいとします。
「近くて便利だから」だけではなく、
・何の工事で使うのか
・なぜ資材置場が必要なのか
・どのくらいの期間必要なのか
・どのくらいの面積が必要なのか
こうした計画を具体的にしていきます。
一時転用でも、「とりあえず借りておこう」ではないんですね。
「広いほうが便利だから」はダメ?
たとえば、工事用の資材置場として必要なのは500㎡でも、借りようとしている畑は1,500㎡あります。そこで、「分けるのも面倒だから、全部借りてしまおう」となったらどうでしょう。
一時転用でも、その面積が本当に必要なのかということは重要です。
・資材をどこに置くのか
・工事車両はどこを通るのか
・車両を何台停めるのか
こうした計画から必要な面積を考えていきます。
「広いほうが使いやすいから」という理由だけで、必要以上の農地を転用できるとは限りません。
農地への出入りはどうする?
資材置場として農地を使うなら、トラックなどの工事車両が出入りすることもあります。ここで、「車はどこから入るの?」という問題が出てきます。
・農地までの進入路はあるのか
・大型車両が通れるのか
・既存の農道などを利用するのか
・道路から農地へどのように出入りするのか
資材を置く場所だけではなく、そこまでどうやって入るのかも考える必要があります。
雨が降ったら水はどこへ行く?
畑だったところに砕石を敷いたり、車両が何度も出入りしたりすると、土地の状態が変わります。そこで考えなければならないのが排水です。
「雨が降ったらどうなるの?」ということですね。
・隣の田んぼへ水が流れ込まないか
・農業用水路に影響しないか
・道路へ大量の土砂や水が流れないか
一時的な利用であっても、周辺の農地に影響を与えないように計画する必要があります。
本当に農地へ戻せる?
そして、一時転用で特に大切なのが、「利用が終わったあと、本当に農地へ戻せるのか」ということです。たとえば、
・大量の砕石を敷く
・土地を大きく掘る
・厚く盛土する
・強く締め固める
こうした工事をすれば、元の農地に戻すのも大変になります。
一時転用では、使っている期間だけではなく、使い終わった後まで考えることが大切です。
「あと半年だけ使わせて」は?
工事が予定より長引くこともあります。当初は、「半年間だけ使います」という計画だったのに、半年後、「工事が終わらないので、もう少し使いたい」となることもあります。
しかし、許可された期間を過ぎても、そのまま使い続けてよいわけではありません。
利用期間を延長する必要が生じた場合には、期間が終わる前に農業委員会などへ確認し、必要な手続きを行うことが大切です。
一時転用は「仮だから簡単」ではない
一時転用という名前から、「仮に使うだけだから簡単」という印象を持つかもしれません。でも実際には、
・なぜ必要なのか。
・どのくらいの面積が必要なのか。
・どのくらいの期間使うのか。
・周辺の農地に影響しないか。
・最後にきちんと農地へ戻せるのか。
こうしたことを考えて計画する必要があります。
一時転用は、「一時的に使う」+「農地へ戻す」ここまで考えて行う農地転用なんですね。
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2026年08月11日 14:29
