<農地転用の基礎知識⑨>一時転用って何?
「工事をする間だけ、畑を資材置場として借りたい」「工事車両を停める場所として、半年だけ農地を使いたい」「工事が終わったら、ちゃんと農地に戻します」
ずっと駐車場や資材置場として使うわけではありません。使うのは半年だけ、終わったら農地に戻す。
それなら、「一時的に使うだけだから、農地転用は関係ないですよね?」と思いますよね。実は、一時的な利用でも農地転用の手続きが必要になります。
これが「一時転用」です。
一時転用とは?
一時転用とは、簡単にいうと、一定の期間だけ農地を農地以外の用途に利用し、利用が終わったら農地に戻すことです。たとえば
・工事期間中の資材置場
・工事車両の駐車場
・工事のための仮設道路
・仮設事務所の敷地
などとして、一時的に農地を利用するケースがあります。
普通の農地転用との大きな違いは、最後に農地へ戻すというところです。
「半年だけ」でも農地転用?
「でも、たった半年ですよ?」と思うかもしれません。期間が短ければ農地転用にならないような気もしますよね。
しかし、短期間だから自由に農地を使ってよい、というわけではありません。
たとえ数か月であっても、その間は農地を農地以外の目的で利用することになります。
そのため、一時転用として農地法上の手続きが必要になる場合があります。
「少しの間だけだから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。
一時転用なら簡単に許可される?
ここも勘違いしやすいところです。「終わったら農地に戻すんだから、普通の農地転用より簡単でしょう?」と思いますよね。でも、一時転用だから必ず許可されるわけではありません。
たとえば、
「なぜ、この農地を使う必要があるのか」
「どのくらいの期間使うのか」
「どのくらいの面積が必要なのか」
「利用が終わったら、本当に農地へ戻せるのか」
といったことを確認していきます。
つまり、一時的だから何でもOKという制度ではないんですね。
使い終わったら、そのままではダメ?
たとえば、畑を工事用の資材置場として半年間利用したとします。工事が終わりました。
資材も撤去しました。
「はい、これで終了!」……とは限りません。
一時転用では、利用が終わったら農地として利用できる状態に戻すことが大切です。
たとえば、砕石を敷いたのであれば撤去する。
土地を締め固めたのであれば、農地として利用できるように復旧する。
仮設物があれば撤去する。
単に資材や車をどかせば終わり、というわけではありません。
「農地に戻します」は最初から考えておく
一時転用で大切なのは、使い終わった後のことまで最初に考えておくことです。資材置場として使うことだけ考えて、「終わったら何とか農地に戻せばいいでしょう」では困ります。
・どのように農地へ復旧するのか
・いつまで利用するのか
利用後に農地として耕作できる状態に戻せるのか。こうしたことも含めて計画します。
一時転用は「借りる場合」にも注意
建設会社などが、農家から農地を借りて一時的な資材置場や仮設事務所設置として利用することもあります。この場合、「所有者から借りる許可をもらったから大丈夫」というわけではありません。土地の所有者が了承していても、農地法上必要な手続きは別の問題です。農地を借りて一時転用する場合には、農地法5条の許可などが必要になります。
一時転用は「使ったら戻す」までがセット
一時転用を簡単に整理すると農地を一時的に別の用途に使う
↓
決められた期間利用する
↓
利用が終わったら農地へ戻す
ここまでが一つの流れです。
「少しの間だけ借りたい」「工事期間中だけ使いたい」という場合でも、まずその農地を一時転用できるのか確認することが大切です。
そして、「一時転用なら、どんな農地でも使えるの?」という疑問も出てきます。
一時転用にも、当然ルールがあります。
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2026年08月11日 14:00
