<農地転用の基礎知識⑧>農地転用では何を審査されるの?
「自分の土地だし、ちゃんと申請すれば大丈夫ですよね?」
農地転用というと、「申請書を出せば許可がもらえる」と思われるかもしれません。
ところが、そう簡単ではありません。
農地転用の審査では、大きく分けて2つのことを見られます。
① その農地を転用してもいいの?
② その計画、本当にできるの?
この2つです。
法律では、それぞれ「立地基準」「一般基準」と呼ばれています。
難しそうな名前ですが、中身を見てみましょう。
まずは「その農地、本当に転用していいの?」
最初に確認されるのが立地基準です。たとえば、「この畑を駐車場にしたいです!」という立派な計画を作ったとします。
駐車場の配置図も作りました。
お金も準備しました。
でも、その農地が、「できるだけ農地として残しておきたい場所」だったらどうでしょう。
計画が立派でも、そもそも転用が難しいことがあります。
そこで確認するのが・・
・第1種農地なのか
・第2種農地なのか
・第3種農地なのか
といった農地区分です。
つまり最初の関門は、「何をするか」より、「どこの農地でやるのか」なんですね。
次は「その計画、本当にやるの?」
場所の問題をクリアしたら、今度は計画の中身です。これが一般基準です。
たとえば、「この農地を駐車場にします」と申請したとします。
すると・・・
・「何台停めるんですか?」
・「誰が使うんですか?」
・「工事費は用意できますか?」
・「出入口はどうしますか?」
・「雨が降ったときの水はどこへ流しますか?」
といったことを確認していきます。
つまり、「駐車場にしたいです!」だけでは足りないということです。
本当にその計画を実現できるのかまで確認されます。
「せっかくだから全部転用」はどうなる?
こんなケースも考えてみましょう。家を建てるために農地転用をします。
家と駐車場などを合わせても、必要なのは300㎡くらい。
でも農地は1,000㎡あります。
そこで、「どうせなら1,000㎡全部、宅地にしておこう」……気持ちは分かります。
でも、農地転用では、「本当にその面積が必要ですか?」ということも確認されます。
必要なのが300㎡なら、なぜ1,000㎡転用する必要があるのか。
「せっかくだから」「将来何かに使うかもしれないから」というだけでは、認められないことがあります。
農地転用は、必要なところを必要な分だけという考え方が大切です。
自分の土地なのに、お隣の田んぼも関係する?
これも農地転用の特徴です。自分の土地を転用するのだから、「自分の土地の中だけ考えればいいでしょう」と思いますよね。
ところが、そうとも限りません。
たとえば畑に盛土をして駐車場を作ったら、雨水がお隣の田んぼへ流れるようになった。
これでは困ります。
農地転用では、周りの農地に迷惑をかけないかということも確認されます。
・排水はどうするのか。
・農業用水路に影響はないか。
・農道の利用に支障はないか。
・周辺で農業を続けるうえで問題はないか。
自分の農地だけを見ればいいわけではないんですね。
農地転用は「土地」と「計画」の両方を見る
農地転用の審査を難しく考える必要はありません。まず、「その場所の農地を転用していいの?」これが立地基準
そして、「その計画、本当に実現できるの?」これが一般基準。
この2つを確認すると考えると分かりやすいと思います。
「転用できそうな農地だから大丈夫」でもありません。
「しっかりした事業計画だから大丈夫」でもありません。
土地と計画、両方が大切です。
さて、ここまでは農地を住宅や駐車場などとして継続して利用する場合を中心に見てきました。では、「工事をする半年間だけ、資材置場として畑を借りたい」という場合はどうでしょう。終わったら、また畑に戻します。こんな農地の使い方もあります。
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2026年08月11日 13:36
