<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識④>事前調査ではどんな資料を集めるの?
前回のブログはコチラ→<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識③>農家住宅を建てたい!まず何を調べるの?
では、実際に何を使って調べるのでしょうか。
「住所をGoogleマップで見れば分かるんじゃない?」と思いますよね。
もちろん地図も使います。
でも、それだけでは分からないことがたくさんあります。
今回は、農家住宅の事前調査でどのような資料を確認するのか見ていきます。
まず「地番」を確認する
相談を受けたとき、「○○市○○町の実家の裏です」「この田んぼの一部です」というところから始まることがあります。場所は分かります。でも、土地の調査では、まず地番を確認します。
住所と地番は同じとは限りません。
そこで、「正確には、どの土地の話なの?」というところを特定します。
ここを間違えると、違う土地を一生懸命調べることになってしまいます。
まずは土地を特定する。当たり前のようですが、とても大切です。
登記事項証明書を見る
土地が分かったら、まず確認したい資料の一つが登記事項証明書です。ここから、土地の所在地
地目
面積
所有者
共有者がいるか
抵当権などが付いているか
といった情報を確認できます。
たとえば、「父の土地です」と聞いていたのに、調べてみたら、まだおじいさん名義だった。ということもあります。
また、「全部うちの土地です」と思っていたら、兄弟との共有だったということもあります。
土地は見ただけでは所有関係まで分かりません。
だから登記を確認します。
公図を見る
次に確認するのが公図です。「公図って何?」と思いますよね。
簡単にいうと、土地の位置や隣の土地との関係を見るための図面です。
今回の土地はどれ?
隣の土地は?
道路はどこ?
土地はどんな形?
といったことを確認します。
ただし、公図だけを見て、「この土地は正確に○メートルあります」と判断できるわけではありません。
正確な境界や距離が必要になれば、測量などが必要になる場合があります。
地積測量図はある?
法務局に地積測量図が備え付けられている土地もあります。地積測量図があれば、土地の形状や辺長などを確認するための参考になります。
ただし、すべての土地に地積測量図があるわけではありません。
特に昔からある農地では、地積測量図がないこともあります。
「図面がない!」となっても、それだけで家を建てられないという話ではありません。
必要に応じて、測量や分筆を検討していきます。
都市計画図も確認する
次は都市計画関係です。ここで、「本当に市街化調整区域なの?」を確認します。
都市計画図などを使って、市街化区域なのか、市街化調整区域なのか、その他の都市計画上の指定があるのかなどを確認します。
周りに住宅がたくさんあるから市街化区域、田んぼばかりだから市街化調整区域というわけではありません。
土地は見た目だけでは判断できません。
農地なら農地関係の資料も確認する
予定地が田や畑なら、農地についても調べます。ここでは、農地としてどのように扱われているのか、農振農用地に入っているのか、農地転用についてどのような手続きが必要になりそうなのかなどを確認していきます。
農家住宅だから、「農地はそのまま住宅敷地にして大丈夫」というわけではありません。
都市計画法と農地法は別です。さらに農振農用地の場合には、農地転用の前に別の手続きが必要になることもあります。
「農家であること」の資料も必要
農家住宅の場合、土地だけ調べれば終わりではありません。前回までにお話しした、「農家住宅の対象となる人なの?」という確認も必要です。
<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識②>農家住宅は誰でも建てられるの?
そのため・・・
・どの農地を耕作しているのか
・どのくらいの面積なのか
・どのような権原で耕作しているのか
・実際に農業に従事しているのか
といったことが分かる資料を確認していきます。
宮城県では、農家住宅について具体的な基準がありますので、その基準に該当することを資料で確認していくわけです。
「私は農家です!」という自己申告だけで終わる話ではないんですね。
道路についても資料で確認する
家を建てるなら、道路も大切です。地図を見ると道路がある。
車も普通に走っている。
だから、「道路は問題なし!」と思ってしまいそうです。
でも、建築するときには、その道路が建築基準法上どのような道路なのか。
幅はどのくらいなのか、敷地がどのように接しているのかなどを確認する必要があります。
ここは建築士や建築担当部署と確認していく部分でもあります。
ハザードマップなども確認する
住宅を建てる土地ですから、「法律上建てられるか」だけを見ればいいというわけでもありません。
洪水、土砂災害、その他の災害リスク、こうした情報もハザードマップなどで確認しておきます。
これから長く生活する場所です。
建てられるかだけではなく、「どんな土地なのか」を知ることも大切です。
最初から全部そろえるの?
ここまで読むと、「資料、多すぎない?」と思いますよね。確かに多いです。
でも、すべての案件で最初から全部の資料を集めるとは限りません。
まず基本的な資料を確認する。
そこで気になるところがあれば、さらに詳しい資料を調べる。
そして必要に応じて行政へ確認する。
というように、順番に調査を進めていきます。
イメージとしては、土地の健康診断みたいなものです。
最初に基本的なところを確認して、「ここはもう少し詳しく調べた方がいいですね」
というところがあれば、追加で確認していきます。
資料を集めるのには理由がある
・登記事項証明書・公図
・地積測量図
・都市計画関係の資料
・農地関係の資料
・農業を営んでいることを確認する資料
・道路関係の資料
いろいろあります。
でも、資料を集めること自体が目的ではありません。
知りたいのは、「この人が、この土地に農家住宅を建てる計画を進められるのか?」ということです。
そのために必要な情報を、一つずつ集めていきます。
そして資料がある程度そろったら、次は行政への確認です。
次回のブログはコチラ→<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識⑤>役所には何を確認するの?
ご相談はコチラ→
2026年08月10日 22:33
