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<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識⑤>役所には何を確認するの?

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前回は、農家住宅の事前調査で、登記事項証明書、公図、都市計画関係の資料、農地関係の資料。などを確認するというお話をしました。
前回のブログはコチラ→<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識④>事前調査ではどんな資料を集めるの?

では、資料を集めたら次はどうするのでしょうか。
「役所に聞けばいいんでしょう?」そうなんですが、ここで一つ問題があります。
役所といっても、どこに聞けばいいの?という話です。

市役所の受付で、「農家住宅を建てたいんですけど……」と聞けば、すべて一つの窓口で終わるとは限りません。
今回は、農家住宅を計画するとき、行政のどのような部署に何を確認するのか見ていきます。
まず都市計画の担当へ
農家住宅が市街化調整区域にある場合、まず重要になるのが都市計画法です。
そこで、開発許可や市街化調整区域の建築を担当する部署に確認します。

たとえば
・本当に市街化調整区域なのか
・農家住宅として都市計画法第29条第1項第2号に該当する可能性があるのか

・建築予定者の農業の状況は基準に該当するのか
・建築予定地は農家住宅の立地として問題がないのか
・どのような資料が必要になるのか
などを確認していきます。

ここで大切なのは、「農家なんですけど、家を建てられますか?」だけでは、なかなか具体的な話にならないということです。
・誰が建てるのか
・どこに建てるのか
・どの農地で農業をしているのか
・どのくらい耕作しているのか
こうした情報を整理して相談することで、具体的な確認ができるようになります。
農業委員会では何を確認するの?
次に関係してくるのが農業委員会です。
特に、建築予定地が田や畑の場合には重要です。
たとえば、
・現在、本当に農地なのか
・農地転用が必要なのか
・どのような農地転用の手続きになるのか
・農地の一部だけを住宅敷地にする場合、どの範囲を転用するのか
などを確認していきます。

また、農家住宅では「実際に農業を営んでいるのか」が重要です。
そのため、耕作している農地や農業の状況について、農業委員会が保有する情報や必要な証明・資料などについて確認することもあります。
ここで覚えておきたいのは、農家住宅だから、農地転用も自動的に認められるわけではないということです。
都市計画法と農地法、それぞれ別に確認していきます。
「農振」は別の担当になることも
予定地が農地なら、もう一つ確認したいのが農振農用地です。
簡単にいうと、「この農地は、これからも農業に使っていきましょう」とされている区域です。
農振農用地に入っている土地を住宅敷地として利用したい場合、農用地区域から外す手続き、いわゆる農振除外が必要になることがあります。

この農振を担当している部署と、農業委員会は同じとは限りません。
ここが、一般の方には少し分かりにくいところです。
「農地のことだから、全部農業委員会でしょう?」と思いますよね。
でも、
・農地転用のこと
・農振のこと
それぞれ担当が分かれていることがあります。
そのため、計画に応じて必要な部署へ確認していきます。
建築の担当では何を見るの?
農家住宅も「住宅」ですから、当然、建物についての確認も必要です。
ここでは、
・前面道路は建築基準法上どのような道路なのか
・敷地は道路にきちんと接しているのか
・建築基準法上の問題はないのか
・建築確認が必要なのか

といったことが関係してきます。

ただし、このあたりは建物の設計にも関係します。
そのため、建築士が中心となって確認する部分もあります。
行政書士が都市計画法や農地法など土地利用に関する手続きを確認し、建築士が建築基準法や設計、建築確認について確認する。
実際の計画では、お互いの確認事項がつながってきます。
この役割の違いについては、後の回で詳しく取り上げます。
道路、水道、排水も確認することがある
土地によっては、さらに別の部署への確認が必要になることがあります。
たとえば、
・道路
・上水道
・下水道
・浄化槽
・排水
などです。
「家を建てられる土地です」となっても、水道をどうするのか、生活排水をどこへ流すのか、敷地への出入りはどうするのか、こうした問題もあります。
特に市街化調整区域は、市街地と比べて上下水道などの整備状況が異なる場所もあります。
その土地に応じて必要な確認をしていきます。
役所には何を持っていくの?
では、「とりあえず場所だけ伝えればいい?」というと、できればもう少し資料があった方が話が進みやすくなります。
たとえば
・位置図
・公図
・登記事項証明書
・建築予定地が分かる資料
・農業をしている場所や状況が分かる資料
・おおまかな建築計画
などです。

もちろん、最初からすべての資料が必要とは限りません。
ただ、「誰が・どこに・何を建てたいのか」が分かるようにしておくことが大切です。
一つの窓口だけで終わらないこともある
農家住宅の事前確認では、都市計画の担当に行ったら、「農地について農業委員会にも確認してください」と言われる。
農業委員会に行ったら、「この土地は農振も確認してください」となる。
さらに、「道路については建築担当にも確認してください」となる。
こうして確認先が増えていくことがあります。
「家を一軒建てるだけなのに……」と思いますよね。

でも、それぞれ確認している法律や役割が違います。
だから、一つずつ整理していく必要があります。
宮城県と仙台市では窓口が違う
ここも注意したいところです。
宮城県内でも、建築予定地によって相談先や担当する行政機関が異なります。
また、仙台市は開発許可について独自に審査を行っています。
そのため、「宮城県ではこうだったから、仙台市でも同じでしょう」とは限りません。
農家住宅を計画する場合は、その土地を管轄する行政機関の基準や取扱いを確認することが大切です。
行政に聞く前の準備が大切
行政への事前相談で大切なのは、いきなり、「ここに家を建てられますか?」と聞くことではありません。
・まず資料を調べる
・建築予定者の農業の状況を整理する
・土地の状況を確認する
・建築予定地をある程度決める
そのうえで、「この人が、この土地に、このような農家住宅を建てたい」と具体的に相談します。

そうすることで
・農家住宅として進められそうなのか
・追加で何を確認する必要があるのか
・農地転用はどうなるのか
・農振除外は必要なのか
・建築士に何を確認してもらう必要があるのか
といった次の手続きが見えてきます。

農家住宅の事前調査は、資料を調べて終わりではありません。
調べた内容をもとに行政へ確認し、「この計画を進めるためには、次に何をすればいいのか」を整理するところまでが大切です。

次回のブログはコチラ→<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識⑥>農家住宅を建てるとき、ほかにどんな法律を確認するの?
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2026年08月10日 22:54