<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識③>農家住宅を建てたい!まず何を調べるの?
前回のブログはコチラ→<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識②>農家住宅は誰でも建てられるの?
では、農家住宅の対象になりそうだと分かったら、次は何をするのでしょうか。
たとえば、「親が持っている田んぼの一部に家を建てたい」とします。
農家住宅だから大丈夫、土地も自分たちのものだから大丈夫、さっそく住宅会社へ行って、「リビングは広くして……」「平屋もいいな……」と考えたくなりますよね。
でも、市街化調整区域の農家住宅では、その前にやっておきたいことがあります。
それが、「この土地、本当に農家住宅を建てられるの?」という事前調査です。
まず土地の住所を確認する
最初に確認するのは、意外と普通です。
「どこの土地に建てたいの?」というところから始まります。
・土地の地番を確認
・市街化区域なのか市街化調整区域なのか
・都市計画区域そのものがどうなっているのか
まず土地の位置と都市計画上の区域を確認します。
「周りが全部田んぼだから、市街化調整区域でしょう」とは限りません。
逆に、「周りに家がいっぱい建っているから大丈夫でしょう」とも限りません。
見た目では分からない。まずは地図と資料で確認します。
次は「誰の土地?」
次に確認するのが、土地の所有者です。「親の土地です」と聞いていても、登記事項証明書を確認してみると、お父さんの名義、おじいさんの名義のまま、兄弟との共有ということもあります。
さらに・・・
・土地に抵当権などが付いていないか。
・土地が複数の筆に分かれていないか。
といったことも確認します。
つまり、「うちの土地だから大丈夫」ではなく、登記上どうなっているのかを見る。ここも大切です。
地目は何になっている?
次に見るのが地目です。宅地
田
畑
山林
雑種地
いろいろあります。
特に農家住宅では、田や畑に住宅を建てたいというケースがあります。
ここで、「農家が農家住宅を建てるんだから、田んぼに建てても大丈夫でしょう」と思うかもしれません。
でも、農家住宅と農地転用は別の話です。
田や畑を住宅の敷地として利用するのであれば、農地法上の手続きについて確認する必要があります。
その田んぼ、「農振」に入っていない?
田や畑の場合、もう一つ確認したいことがあります。それが、農振農用地に入っているかどうかです。
「農振?」また新しい言葉が出てきましたね。
ものすごく簡単にいうと、「ここは今後も農業に使っていきましょう」とされている農地です。
いわゆる青地と呼ばれることもあります。
農振農用地に住宅を建てたい場合には、農地転用の前に、農用地区域から外す手続きが必要になることがあります。
これが、いわゆる農振除外です。ですから、「農地転用をすれば家を建てられる!」と、いきなり考えるのではなく、その前に農振農用地なのかも確認するわけです。
道路も見るの?
見ます。家を建てる土地ですから、「その土地は、どの道路に接しているの?」ということも重要です。
道路があるように見えても、建築基準法上どのような道路なのか、道路の幅はどのくらいなのか、敷地がどのように道路に接しているのか。などを確認する必要があります。
ここは建築士や建築担当部署とも関係してくる部分です。
必要に応じて建築士などと確認しながら進めていきます。
水道や排水は?
住宅ですから、水も必要です。トイレもあります。
お風呂もあります。
当然、排水も出ます。
そこで、上水道は使えるのか、下水道はあるのか、下水道がなければ浄化槽になるのか。
雨水はどうするのか、といったことも確認します。
田んぼの真ん中に、「家を建てられそうな土地がある!」と思っても、家は土地だけでは生活できません。
道路、水道、排水なども含めて確認する必要があります。
災害関係も確認する
土地を調べるときには、土砂災害警戒区域、洪水浸水想定区域、その他の土地利用上の規制、なども確認しておきます。これは、「農家住宅として建てられるか」だけではなく、「住宅を建てる土地としてどんな場所なのか」を見るためです。
法律上建てられるかだけではなく、その土地の状況を知っておくことも大切です。
ここまで調べて、ようやく行政へ
土地についてある程度調べたら、「たぶん大丈夫でしょう!」で終わりではありません。今度は、調べた資料を整理して行政に確認します。
たとえば、
・都市計画を担当する部署
・農業委員会
・農振を担当する部署
・建築を担当する部署
などです。
計画によって確認先は変わります。
そして行政には、「農家住宅を建てたいんですけど、大丈夫ですか?」だけではなく、
・誰が建てるのか
・どこの土地なのか
・どのような農業をしているのか
・どのくらいの敷地を住宅として使うのか
など、具体的な内容を整理して確認していきます。
調査すると「次に何をすればいいか」が見えてくる
ここまで調べると、農家住宅として進められそう。農地転用が必要、その前に農振除外が必要かもしれない、測量や分筆が必要、建築士に確認してもらう必要があるなど、次に必要な手続きが見えてきます。
これが事前調査をする意味です。
市街化調整区域の農家住宅は、「とりあえず家の設計をして、あとで役所に聞いてみよう」ではなく、「まず土地を調べて、建てられる見込みを確認してから計画を進める」
という順番が大切です。
せっかく間取りまで決めたのに、「この土地では、その計画は難しいですね」となったら大変ですからね。
農家住宅を建てたいと思ったら、まず土地を調べる。
そして、必要な行政手続きを整理する。
ここからスタートです。
次回のブログはコチラ→<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識④>事前調査ではどんな資料を集めるの?
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2026年08月10日 22:04
