<空き家になってしまった場合の基礎知識⑭>役所が空き家を解体することもある?「行政代執行」とは
前回のブログはコチラ→<空き家になってしまった場合の基礎知識⑬>「命令」まで来たらどうなるの?
では、その命令を受けても何もしなかったら?
さらにその先があります。
それが、「行政代執行」です。
なんだか難しい言葉ですよね。
簡単にいうと、「所有者等がやらないので、一定の場合に行政が代わって必要な措置をする」という仕組みです。
役所が本当に空き家を解体するの?
あります。
例えば、危険な特定空家等について、「危ないので除却してください」と命令を受けた。
それでも必要な対応をしない。
そのような場合、一定の要件を満たせば、市町村が所有者等に代わって除却などを行うことがあります。
これが行政代執行です。
ただし、「古い空き家だから役所が勝手に壊す」という話ではありません。
特定空家等について、法律に定められた手続を踏んで行われます。
解体費用は役所が払ってくれる?
ここは勘違いしやすいところです。「役所が解体してくれるなら、解体費用も税金で払ってくれるの?」残念ながら、そういう制度ではありません。
行政代執行にかかった費用は、所有者等から徴収されます。
つまり、「自分で解体しなかったら、役所が無料で解体してくれる」ということではないんですね。
所有者が分からない場合は?
では、「空き家の所有者が分からない」「調べても誰に対応を求めればいいのか分からない」という場合はどうするのでしょうか。空家法には「略式代執行」という仕組みがあります。
必要な措置を命じようとしても、その人を確知できない場合などには、一定の手続を経たうえで、市町村が必要な措置を行うことができます。
【根拠】空家法第22条第10項
所有者が分からなければ、危険な空き家を永遠にそのままにしておくしかない。
そうならないための仕組みです。
災害などで「そんな手続をしている時間がない!」場合は?
もう一つあります。2023年の空家法改正で新しく設けられたのが、「緊急代執行」です。
例えば災害などで特定空家等が著しく危険な状態になり、「命令の手続をしている時間がない」という場合があります。
そのような緊急時には、一定の要件を満たせば、市町村が命令などの手続を経ずに必要な措置を行うことができます。
【根拠】空家法第22条第11項
「危ないけれど、まず何週間も手続をして……」では間に合わない場合もありますからね。
行政代執行は本当に行われている
「でも、行政代執行なんてめったにない話でしょ?」と思いますよね。実際に行われています。全国では、空家法施行後、特定空家等について行政代執行や略式代執行が行われています。
さらに、2023年に新しくできた緊急代執行も実際に行われています。
つまり、「法律には書いてあるけれど、実際には使われない制度」ではありません。
ここまで来る前に対応したい
ここまでの流れを振り返ると助言・指導
↓
勧告
↓
命令
↓
行政代執行
となります。
「ある日突然、役所がやってきて実家を壊した!」というのが通常の流れではありません。
何度か対応する機会があります。だからこそ、指導の段階で対応する、勧告を放っておかない、役所からの通知をそのままにしない、これが大切です。
空き家は、「誰も住んでいないから、しばらくそのままでいいか」と思っているうちに、建物の状態が悪くなることがあります。
行政代執行まで進んでから慌てるのではなく、その前に、「この空き家、これからどうする?」と考えておきたいですね。
次回のブログはコチラ→<空き家になってしまった場合の基礎知識⑮>宮城県の市町村では、どんな空き家対策をしているの?
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2026年08月11日 01:30
