<市街化調整区域の基礎知識⑦>市街化調整区域でも建てられる建物とは?
前回のブログはコチラ→<市街化調整区域の基礎知識⑥>都市計画法第34条って何?
市街化調整区域は「市街化を抑える区域」ですが、「何も建てられない区域」というわけではありません。
では、実際にはどのような建物なら建てることができるのでしょうか。今回は、代表的なものを見ていきます。
市街化調整区域にも普通に建物がある
市街化調整区域を車で走っていると・住宅
・コンビニ
・飲食店
・ガソリンスタンド
・工場
いろいろな建物を見かけることがあります。
「市街化を抑える区域なのに、結構いろいろ建っているな」と思いますよね。
でも、これらの建物がすべて同じ理由で建てられているわけではありません。
市街化調整区域では、大きく考えると、許可を受けて建てられるものと、都市計画法上、開発許可が不要とされているものがあります。
ここを分けて考えると、少し分かりやすくなります。
周辺に住んでいる人のための店舗など
まず代表的なのが、都市計画法第34条第1号です。
市街化調整区域やその周辺に住んでいる人が、日常生活を送るために必要な店舗などについて、一定の条件を満たせば認められる場合があります。
ただし、「お店なら何でもいい」というわけではありません。
・どのような店舗なのか
・誰が主に利用するのか
・どこに建てるのか
・規模はどのくらいなのか
こうした条件を確認する必要があります。
道路沿いで見かける施設
幹線道路を走っていると、市街化調整区域でもガソリンスタンドや飲食店などを見かけることがあります。「調整区域なのに、どうしてここにはお店があるんだろう?」と思うことがありますよね。都市計画法第34条第9号では、道路の円滑な交通を確保するために適切な位置に設けられる道路管理施設、休憩所、給油所などについて、一定のものが認められています。
ただし、道路沿いなら好きな店舗を建てられるという意味ではありません。施設の種類や立地などの基準を確認する必要があります。
農林漁業に関係する建物
市街化調整区域には、田んぼや畑が広がっているところも多くあります。そのため、農林漁業に関係する建物についても規定があります。ここは少し注意が必要です。農林漁業に関係する建物だから、すべて同じ扱いになるわけではありません。
たとえば、一定の農林漁業用施設や農林漁業を営む人の住宅については、都市計画法第29条第1項第2号により、開発許可が不要となる場合があります。
いわゆる「農家住宅」も、ここが関係してきます。
一方、農林水産物の処理・貯蔵・加工に必要な一定の施設については、第34条第4号が関係する場合があります。
同じ「農業に関係する建物」でも、根拠となる規定が違うことがあるわけです。
住宅は誰でも建てられる?
ここが一番気になるところかもしれません。「市街化調整区域の土地を買って、自分の家を建てたい」という場合です。
残念ながら、土地を買えば誰でも自由に住宅を建てられるというわけではありません。
ただし、農家住宅や分家住宅など、一定の条件を満たす場合は認められる場合があります。また、自治体が定めている基準などによって住宅の建築が認められる場合もあります。
つまり、「住宅だから大丈夫」ではなく、「なぜその場所に住宅を建てることができるのか」という根拠を確認する必要があります。
同じ建物でも場所によって判断が違う?
ここも市街化調整区域の難しいところです。
「知り合いが調整区域に家を建てたから、自分も建てられるでしょう」「隣町では許可されたから、ここでも大丈夫でしょう」とは限りません。
都市計画法という同じ法律を使っていても、実際には土地の場所や計画内容に加えて、自治体が定める条例や許可基準なども確認する必要があります。
そのため、「○○なら市街化調整区域でも建てられます」と建物の名前だけで判断するのは難しいのです。
大切なのは「建物」だけではなく「建てられる理由」
市街化調整区域で建物を建てられるか調べるとき、「住宅だから」「店舗だから」「農業用施設だから」という建物の種類だけを見るのでは十分ではありません。大切なのは、「なぜ、この場所に、この建物を建てることが認められるのか」ということです。
・許可が必要なのか
・許可不要に該当するのか
・どの法律や許可基準が関係するのか
土地ごと、計画ごとに確認していく必要があります。
市街化調整区域は、「何が建てられるか」だけではなく、「なぜ建てられるのか」を調べる区域!そんなふうに考えると、少し分かりやすくなると思います。
次回のブログはコチラ→<市街化調整区域の基礎知識⑧>農家住宅とは?
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