<市街化調整区域の基礎知識⑫>「用途変更」って何?
「用途を変更するんだから、家をお店に改装することでしょう?」と思いますよね。
もちろん、それも用途変更の一つです。でも、市街化調整区域でいう用途変更は、もう少し広く考える必要があります。
今回は、この「用途変更」について見ていきます。
そもそも「用途」って何?
用途とは、簡単にいうと、「その建物を何のために使うのか」ということです。
たとえば、
・住宅として使う
・店舗として使う
・事務所として使う
・飲食店として使う
・宿泊施設として使う
これらは、それぞれ建物の使い方が違います。
その使い方を変えるのが「用途変更」です。
住宅をカフェにしたら?
たとえば、市街化調整区域に古い住宅があったとします。その住宅を購入して、「この古民家でカフェをやりたい!」と考えました。
建物はすでにあります。
新しく建物を建てるわけでもありません。
「それなら都市計画法は関係ないでしょう」と思ってしまいそうです。
でも、住宅として使われていた建物を飲食店として使うのであれば、建物の用途が変わります。
そのため、市街化調整区域では、都市計画法上の用途変更について確認する必要があります。
工事をしなくても用途変更?
ここが少し意外なところです。用途変更というと、壁を壊す、厨房をつくる、大規模なリフォームをする、そんな工事をイメージしませんか?
でも、大切なのは工事をしたかどうかではなく、「建物を何に使うのか」です。
たとえば、住宅だった建物を、そのまま事務所として利用する。
建物自体はほとんど変わっていなくても、利用目的は変わっています。
つまり、「工事をしていないから用途変更ではない」とは限らないのです。
同じ「住宅」でも問題になることがある?
さらに、市街化調整区域では少し分かりにくいケースがあります。たとえば、
農家住宅 → 一般住宅
です。「どっちも住宅じゃないの?」と思いますよね。
建物だけ見れば、どちらも普通の一戸建て住宅です。
ところが、農家住宅は、農林漁業を営む人の住宅として建てられた経緯があります。
その住宅を農業を営まない人が取得して一般住宅として利用する場合には、都市計画法上の用途変更について確認が必要になることがあります。
分家住宅についても同じように、建築された経緯や許可内容などの確認が必要になる場合があります。市街化調整区域では、「今も住宅として使うから何も変わらない」とは限らないところが難しいのです。
空き家なら自由に使える?
空き家活用でも用途変更は重要です。たとえば、
・古民家をカフェにしたい。
・空き家を事務所にしたい。
・住宅を店舗にしたい。
・住宅を宿泊施設として使いたい。
こうした計画では、「空き家だから自由に使える」と考えるのではなく、まずその建物がどのような経緯で建てられ、これから何に使おうとしているのかを確認します。
特に市街化調整区域では、建築当時の用途や許可内容が重要になることがあります。
用途変更なら必ず許可が必要?
ここも注意したいところです。用途を変えれば、「必ず都市計画法の許可が必要」というわけではありません。
建物が建てられた経緯や現在の状況、変更後の用途などによって取扱いが変わります。
許可が必要になる場合もあれば、一定の範囲で許可を必要としない場合もあります。
そのため、「用途変更だから許可が必要」と最初から決めるのではなく、「この変更は都市計画法上どのような扱いになるのか」を確認することが大切です。
まず「何から何に変えるのか」
用途変更を調べるときは、現在の用途 → これからの用途を整理すると分かりやすくなります。たとえば、
・農家住宅 → 一般住宅
・分家住宅 → 一般住宅
・住宅 → カフェ
・住宅 → 店舗
・住宅 → 事務所
・住宅 → 宿泊施設
といった具合です。
そして、現在の建物がどのような根拠で建てられたのかを確認します。
市街化調整区域では、「建物があるから使える」ではなく、「その建物を、その用途で使えるのか」を確認する。
ここが大切です。中古住宅や空き家を購入して何かに利用したい場合は、購入してからではなく、契約する前に用途変更が可能か確認しておくことをおすすめします。
次回のブログはコチラ→<市街化調整区域の基礎知識⑬>都市計画法第42条と第43条って何?
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2026年08月10日 14:16
