<農家の相続シリーズ(相続の基礎)>⑧共有名義が絶対おすすめできない理由
こんにちは、農地専門の行政書士の大場です。
相続の話し合いで、よく出てくる結論があります。
それは「とりあえず共有名義にしておこうか。」
一見、平和的で公平な解決に見えます。
誰も損をしていないように感じるからです。
ですが、農地の場合・・・
私は原則として共有名義をおすすめしていません。
今日はその理由を、わかりやすくお伝えします。
共有名義とは?
共有名義とは、ひとつの土地を複数人で持つことです。
例えば三人兄弟で、それぞれ3分の1ずつ持つ、といった形です。
数字の上では平等ですが、問題は“その後”にあります。
① 売るとき、全員の同意が必要
共有の農地を売るには、共有者全員の同意が必要です。
一人でも反対すれば、売却できません。
例えば、・一人は売りたい
・一人は残したい
・一人は無関心
こうなると、話は前に進みません。
農地はもともと売却にも制限があります。
そこに共有が加わると、さらに動きにくくなります。
② 貸すときも、簡単ではない
「じゃあ貸せばいい」と思うかもしれません。
ですが貸す場合も、共有者全員の意思確認が必要になることがあります。
管理方針が一致しないと、借り手も不安になります。
結果、借り手が見つからない。
そんなケースもあります。
③ 世代が変わると、さらに複雑に
共有の本当の怖さは、次の相続です。
例えば三人兄弟が共有していた農地、その後、それぞれに子どもが二人ずついれば・・・
共有者は6人になります。
さらにその次の世代へ。
人数は増え続け、
誰が何割持っているのか分かりにくくなります。
こうなると、ほぼ動かせない土地になります。
これが「共有の連鎖」です。
④ 責任の所在があいまいになる
草刈りや管理は誰がするのか。固定資産税はどう負担するのか。
話し合いが曖昧なままだと、次第に不満が生まれます。
「なんで私ばかり負担するの?」共有は“平等”に見えて、実は責任があいまいになりやすい仕組みなのです。
では、どうすればいいのか?
必ずしも一人にすべて相続させるべき、という意味ではありません。
大切なのは、
・誰が中心になって管理するのか・売却や活用の方向性はどうするのか
方向性を決めたうえで名義を整理すること。
これが重要です。
「とりあえず共有」は、問題の先送りになりやすい選択です。
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