<農家住宅(市街化調整区域)の基礎知識⑨>農家住宅で行政書士は何をするの?
ここで、「行政書士は、いったい何をするの?」と思いますよね。
今回は、農家住宅を建てるときの行政書士の役割について見ていきます。
まずは「建てられそうか」を調べる
農家住宅の相談を受けて、いきなり申請書を書くわけではありません。まず行うのが事前調査です。
たとえば、
・市街化調整区域なのか
・農家住宅の要件に該当する可能性があるのか
・予定地は農地なのか
・農振農用地なのか
・どのような行政手続きが関係するのか
・道路や水路、盛土、文化財など、ほかに確認する法令はないかといったことを調べます。
つまり、「申請する前に、何を申請する必要があるのかを調べる」ところから始まります。
行政に事前確認する
資料を調べたら、行政の担当部署へ確認します。都市計画の担当
農業委員会
農振の担当
道路やその他の関係部署など
ここでは、「この人が、この土地で、このような農家住宅を計画しています」という具体的な内容を整理して確認します。
そして、
・農家住宅として進められる可能性があるのか
・農振除外が必要なのか
・農地転用はどの手続きになるのか
・ほかに必要な許可や届出はないのか
といったことを整理していきます。
必要な行政手続きを整理する
事前調査と行政への確認を行うと、「この計画には何が必要なのか」が見えてきます。たとえば、
・農振除外
・農地法第4条・第5条の農地転用
・道路や水路に関する手続き
・その他、土地や計画に応じた許認可や届出
などです。
すべての農家住宅で同じ手続きをするわけではありません。
だからこそ、最初に調べて整理することが大切です。
必要な許認可の申請を行う
必要な手続きが決まったら、行政書士が取り扱うことのできる行政手続きについて、申請書や添付書類を作成し、申請を進めます。農家住宅の場合には、代表的なものとして農地転用の許可申請などがあります。
案件によっては、農振除外や土地利用に関係するほかの行政手続きが必要になることもあります。
行政書士は、調査して終わりではなく、調査 → 行政への確認 → 必要な手続きの整理 → 申請という流れで関わることができます。
行政書士が家の設計もするの?
ここは役割が違います。行政書士が、「リビングはここにしましょう」「柱はこの位置にしましょう」
と住宅を設計するわけではありません。
建物の設計や建築基準法上の検討、建築確認などは、建築士などの専門家が担当する分野です。
一方、農家住宅では、建物の配置が農地転用する範囲に関係することがあります。
そのため、行政手続きと建築計画を完全に別々に進めればよいわけではありません。
建築士から配置図などを提供してもらい、それを農地転用などの行政手続きに使用することもあります。
測量や分筆は誰がするの?
たとえば、「3,000㎡の田んぼのうち、この部分だけを住宅敷地にしたい」という場合、正確な測量や土地の分筆登記などが必要になれば、土地家屋調査士の分野になります。行政書士が土地の分筆登記をするわけではありません。
・行政書士
・建築士
・土地家屋調査士
それぞれ役割があります。
農家住宅では、これらの専門家が必要に応じて連携しながら進めていきます。
行政書士の役割は「申請書を書くこと」だけではない
行政書士というと、「役所に出す書類を作る人」というイメージがあるかもしれません。もちろん、許認可申請は大切な仕事です。
でも農家住宅では、その前の段階も重要です。
まず土地を調べる
・農家住宅の要件を確認する
・関係する法令を調べる
・行政に事前確認する
・必要な手続きを整理する
・そして、必要な許認可申請へ進む
つまり、「この農家住宅の計画を進めるには、どんな行政手続きが必要なのかを整理する」ところも行政書士が関わる重要な部分です。
行政書士だけですべてできるわけではない
ここも大切です。
農家住宅を完成させるまでのすべてを、行政書士だけで行うわけではありません。
・建物の設計や建築確認なら建築士
・測量や分筆登記なら土地家屋調査士
・不動産登記なら司法書士
それぞれ専門分野があります。
行政書士は主に、土地利用に関係する行政手続きや許認可を担当し、必要に応じて他の専門家と連携しながら進めていく。
これが農家住宅における行政書士の役割です。
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2026年08月11日 20:50
