<土地の法令調査と倉庫業の基礎知識③> 倉庫業ができる土地か、何を調べるの?
その前に確認しておきたいことがあります。
それが、「そもそも、この土地・建物で予定している倉庫業ができるのか?」ということです。
土地を見ただけでは、「広いから大丈夫そう」「周りにも倉庫があるから大丈夫でしょう」と思ってしまいます。
ところが、土地にはいろいろなルールがあります。
見た目だけでは分からないんです。
① まず、その土地が「どんな場所なのか」を調べます
最初に確認するのが、都市計画上の区域などです。たとえば、
・市街化区域なのか
・市街化調整区域なのか
・非線引き都市計画区域なのか
・都市計画区域外なのか
・用途地域は指定されているのか
などを確認します。
特に用途地域では、建築できる建物の用途に制限があります。
そのため、「土地が広いから倉庫を建てられる」とは限りません。
まず、その場所で予定している倉庫を計画できるのかを確認します。
② 市街化調整区域なら、さらに注意
調べてみたら、「市街化調整区域でした」ということもあります。市街化調整区域は、原則として市街化を抑制する区域です。
そのため、倉庫を新築する場合や、既存建物を倉庫として利用する場合には、都市計画法上その計画が認められるものなのかを確認する必要があります。
③ 田んぼや畑ではないか
広い土地を探していると、「ここなら倉庫も駐車場もつくれそう!」という土地が見つかることがあります。ところが調べてみると、田や畑だったということもあります。
農地を倉庫敷地、駐車場、構内道路などとして利用する場合には、農地法による農地転用の手続きが必要になることがあります。
さらに、農振農用地に含まれている場合などは、農地転用の前に別の手続きが必要になることもあります。
農地が関係する場合は、「倉庫を建てられるか」だけではなく、「農地を倉庫用地として利用できるか」という確認も必要です。
④ 開発許可が必要になるか
倉庫を建てるために土地を造成する場合などには、都市計画法上の「開発行為」に該当するかを確認します。開発行為とは、簡単にいうと、建物を建てることなどを目的として行う土地の区画形質の変更です。
開発許可が必要になるかどうかは、
・土地の場所
・区域区分
・開発区域の面積
・土地をどのように変更するのか
などによって変わります。
そのため、「盛土をするから必ず開発許可」「面積が小さいから絶対に開発許可はいらない」と単純に判断することはできません。
計画内容と土地の状況を確認して判断します。
⑤ 道路の状況も確認します
倉庫では、大型トラックなどが出入りする計画もあります。そのため、
・前面道路の状況
・建築基準法上の接道
・開発許可上必要となる道路の条件
・出入口の計画
などを、事業計画に応じて確認します。
「道路に面しているから大丈夫」だけではなく、予定している倉庫や土地利用に対して問題がないか確認することが大切です。
⑥ すでに倉庫が建っていても確認します
「新しく倉庫を建てるわけではありません」「すでに倉庫があります」それなら簡単そうですよね。でも、既存倉庫の場合も確認が必要です。
たとえば、
・どのような用途で建築された建物なのか
・建築確認済証や検査済証などがあるか
・倉庫業を営むために用途変更の手続きが必要か
・都市計画法上、倉庫業として利用して問題がないか
などです。
東北運輸局でも、建物の用途が「倉庫業を営む倉庫」となっていない場合には、所在地の自治体へ、
「用途変更手続きが必要か」「都市計画法上問題がないか」を確認するよう案内しています。
つまり、「倉庫が建っている=そのまま倉庫業を始められる」とは限らないのです。
倉庫業の土地調査は、一つの法律だけではありません
倉庫業を始める土地を調べる場合、都市計画法だけ調べれば終わりではありません。土地の場所や状態、建物、事業計画によって、都市計画・建築・農地・開発・道路・消防など関係する事項を整理していきます。
そして、必要に応じて関係する行政機関へ確認します。
倉庫業登録の制度は宮城県内でも共通ですが、その土地・建物で倉庫業ができるのかという確認は、所在地や計画内容によって変わります。
だからこそ、土地を購入したり借りたりする前の確認が大切なのです。
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2026年08月11日 16:40
