農地転用の概要
農地転用とは
農地転用とは、農地を「今と違う状態」で活用する=転用すること
もっと具体的に言うと「農地から農地以外へ土地の目的を変える」ことをいいます。
例えば
農地を使って、農業をやるのではなく、転用後の土地(農地)で下記のようなことを行う場合に必要になるのが「農地転用」です。
・アパートやマンションを建てる
・資材置場にする
・駐車場にする
・太陽光パネルを設置する
・家を増設するので隣の農地を宅地にする
・オフィスや店舗を建てる
・介護施設を建てる
本来、農地を農地以外に使うことは許されておりません。
無断で勝手に「農地から農地以外」に利用することはできません。
ただし、農地転用の許可(届出)があれば「農地以外に転用」することができます。
もし、許可を得ずに無断転用したらその転用は無効になり、原状回復命令や厳しい罰則があります。
(農地転用で注意すること)
※1 農地法上、原則、転用不許可の「農地区分」がありますので注意が必要です。
※2 都市計画法上の都市計画区域内の市街化調整区域では原則、建物を建てる
ことが禁止されています。
ただし、条件を満たした分家住宅等(都市計画法34条14号)や都市計画法34条
1号から14号に該当する建物(事業の種類等)であれば、開発許可や建築許可を
得て建物を建てることができる場合があります。 |
先祖代々からの大事な農地
農地を耕作する人は減り、農地を農地として利用する機会は減ってきています。
さらに、地方では「先祖からの農地を自分の代で手放してはいけない」と考える方もいらっしゃいます。
そう考えると、農地を手放すのではなく、農地を農地以外に転用して有効活用することを考えている方が多数いらっしゃいます。
例えば
使わない農地があるのであれば農地を売却するのではなく、自分のために農地活用したり、第三者へ事業用に貸す場合等が考えられます。
農地とはどんな土地
(農地法第2条)
耕作の目的に供される土地⇨要するに「田と畑」です。 |
農地とは、単純に登記事項証明書(登記簿)などで判断するのではなく、
現在の土地の現況を見て判断されます。
そして、当然、その判断は、各自が自由に行えるものではなく、農地法上、許可権限を持つ
農業委員会が行います。
したがって「農地なのか農地でないのか❓」判断に迷うときは、自分で判断するのではなく、
農業委員会に確認することになります。
また、
農地とは「耕作しようとすればいつでも耕作できるような土地」のことです。
現状は、休耕地や不耕作地でも「すぐに耕作できる土地」と認められれば、農地ということになります。
農地転用するためには
(農地法第4条・5条)
農地を農地以外のものにする者は(4条・5条)農地を農地以外のものにするため、権利を設定又は移転する場合には、当事者が都道府県知事の許可を受けなければならない。
※4ヘクタールを超える場合は農林水産大臣の許可になります。
ただし、市街化区域にある農地は市町村の農業委員会へ届出でOK |
農地を転用するには原則、農業委員会が「農地転用許可申請」を受理したのちに審査を得て
都道府県知事が「許可」をする流れになります。
この決まりを定めているのが
「農地法」という法律になります。
この「許
可や届出」をせずに転用してしまうと「無断転用」となり、これには罰則があるので注意しなければなりません。
農地を転用する大きなメリット
土地の取得費を抑えられることです。
自己所有の農地を使ったり、親の農地を使うことができれば、土地の取得費はかかりません。
ただし、デメリットもあります。
それは、生活に必要なライフラインが全く整備されていないエリアの農地に家を建てて住もうとすれば、そのライフラインの確保の為に費用がかかってしまいます。
また、田が低い位置にある場合は
造成費も考慮する必要があります。
誰から許可をもらうの
許可権者
「都道府県知事許可」になります。
なお、農地が4haを超える場合には「農林水産大臣の許可」になります。
申請先は申請地がある市区町村の農業委員会の窓口に申請します。
宮城県の農業委員窓口一覧
農業委員会は農地転用許可をはじめとする農地関係の手続きの窓口となる機関です。
農地転用の締め切日
農地転用の申請は毎月締切日(提出日)が設定されております。
農地転用の締切日を確認してから、スケジュールに余裕をもって申請することになります。
※HPに記載ある締切日でも急遽変更なることもあるので締切日を必ず農業委員会の窓口に直接確認しましょう。