農家民宿
農家民宿とは
「農家民宿」は、法律上の用語ではありません。
農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律「通称「余暇法」又は
「農村休暇法」、「グリーン・ツーリズム法」といいます。
主として都市の住民に対して農林漁業に関する作業体験、農林水産物の加工又は調理
体験農村漁村の生活および文化に触れる体験やその知識を与えるサービス等を提供で
きる宿泊施設を「農林漁業体験民宿業」と定義しています。
これが、いわゆる「農家民宿」です。
かみ砕いてご説明すると
農家の住まいを使って行う旅館業で農作業などの体験を提供するものを「農家民宿」
といいます。
※宮城県では「農林漁業体験民宿業」を「農林漁家民宿」と定義しています。
農山村には、都市にはない景観、文化など魅力的な観光資源があふれています。
大人数の宿泊者を一切に扱うのではなく、少人数のお客様にきめ細かなサービスを行う
スタイルが「農家民宿」の営業スタイルです。
みやぎの農泊サイト
農家民宿は開業しやすい
旅館業法の営業許可
「民宿」や「旅館」,「ホテル」などを営業するためには旅館業法の営業許可が必要で
あり,次の 4つの区分があります。
① 「ホテル営業」, ②「旅館営業」,③「簡易宿所営業」,④「下宿営業」です。
一般に「民宿」は,「簡易宿所営業」に該当する施設です。
「農林漁業体験民宿業(農家民宿)」の営業許可の特例
旅館業法では「簡易宿所」の営業許可の客室延床面積基準は33㎡以上となっていま
す。この基準の特例として,農林漁業者(個人又は法人経営を行う家族経営体)又は
農林漁業者以外の者(個人に限る)がその居宅において「農林漁業体験民宿業(農家
民宿)」を営む簡易宿所の場合, 客室延床面積が33㎡未満でも営業許可の取得が可
能となっています。
農家民宿の営業スタイルとは
例えば
<営業スタイル>
・通年型・・・1年を通じて営業
・季節型・・・春・夏・冬休み・農業閑散期の時期のみ営業
・週末型・・・土日のみ営業
・目的型・・・こどもの農業体験、外国人の農業体験など
<サービス内容>
・体験提供型・・・農作業体験、農産物加工体験、郷土料理の調理体験など
・素泊まり・・・ 素泊まり体験(自炊設備の準備、近隣飲食店との提携)
・朝食のみ、夕食つき・・・自家製の食材や地産地消の食を提供
などアイデア次第でさまざまなサービスを提供できるのが魅力です。
農家民宿の開業に向いている方
①交流の輪を広げいろいろな人達とのコミュニケーションを求めたい方
②安定して農林漁業を経営していくための新しい収入源を求めたい方
③地域資源(人,物,環境,文化等)を活用した交流拠点を作ることで,地域を
元気にしたい方など・・・
地域の資源をフル活用できるのも農家民宿の魅力です。
地域の仲間と連携し交流を広げることで,地域がより元気になります。
農家民宿の開業前に検討すること
開業場所の検討
農家民宿の経営にふさわしい場所かどうか次の点について検討が必要です。
①農林漁業が盛んに行われている場所であること。 |
開業資金の検討
開業資金について 開業には資金が必要となるため,事業資金の見通しについて検討が
必要です。 多くの場合,民宿に供する部分は,自宅の一部を使用しますので,自分の
家族も使うことにな り投資額のうちどれくらいが民宿の開業資金に当たるのかという
視点も必要です。
体験メニュー&サービス内容&営業形態の検討
魅力ある体験メニューの提供が必要になります。①農林漁業体験やイベントなどの企画実践及び紹介ができるか検討。 ②地域の歴史や文化などの紹介,地域の案内ができるか検討。 ③地域として体験メニューの提供ができる環境になっているか検討。 |
特別な体験 メニューが提供できなくても,日常の農作業等を手伝ってもらうだけでもお客 様にとっては新鮮な体験です。
労働力の検討
農家民宿の運営にあたり,家族や親戚,近所の方, パートタイマーなど労働力が確保できるかが大切になります。民宿経営にあたっては,家族全体の合意と協力が
欠かせないことはもちろん,労働力の確保には地域の理解も必要になります。
地域の連携の検討
地域との連携も大切です。地域と連携して農家民宿を開業すれば,集客もしやすくなります。そのほか,宿泊,食事,農林漁業体験とサービスを分担することで各農家等の負
担を減らす, といったやり方も考えられます。
<参考までに>
みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会HP